都会の真ん中にあるとても静かな鎮守の森。「金王八幡宮」。
1092年にこの場所に渋谷城を築いた渋谷氏によって創建されたそうです。
境内には渋谷区指定天然記念物の「金王桜」という桜の木があって
これは一本の木に一重と八重の花が咲くという珍しい桜。
桜には季節はずれですが、まだ蒼々としたイチョウが今日はとてもきれいでした。
こんなご神木もあります。
「金王」という名前の由来は、渋谷氏の祖である渋谷重家が、この神社に祈願したことにより授かった嫡男が、金剛夜叉明王の化身であったという伝説によるのだそうです。
この男の子は「金王丸」と呼ばれ、やがて立派な武将となりました。
金王丸17歳の時、源義朝に従って保元の乱で大功をたてその名前を世の中に轟かせたということです。
その出陣の折、形見として自分の姿を彫刻させ母親に残したという木像が「金王丸御影堂」に安置されています。
彼は源頼朝との交流も深く、頼朝挙兵にあたって密かにこの神社で平家討伐の祈願をしたそうです。
壇ノ浦の戦いの後、頼朝は弟、義経に謀反の疑いをかけ、これを討つよう金王丸に命じます。
1185年、金王丸は100騎ほどの軍勢を率いて京都に上り、仕方なく義経の館を襲いますが
はじめから義経を討つ考えはなく、捕らえられ、武将らしい立派な最期をとげた、というお話です。
この場所に渋谷城なるお城があり、金王丸という武将が時代を駆け巡った。
渋谷にそんな歴史があったとは、新しい発見でした。
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