2012年5月5日土曜日
京都への旅/こぼれ話
旅の初日に、清水寺を目指していた私達。
行きは、混んだ「五条坂」ではなく、その右隣の「茶わん坂」を上って行って、帰りはお土産屋さんを見ながら、ぶらぶらと産寧坂を下りてこようというプラン。
ところがなぜか、道を一本間違えて、茶わん坂の右側にある坂道に迷い込んでしまった。
坂道の入り口の石屋さんで「この坂を上がると、清水寺に行かれますか?」と聞いてみると、店番のおばさんが「行かれますよ、とっても静かな道ですよ。」と京都弁で親切に教えてくれました。
坂道を上り始めて気がつくと、何とそれは墓地のど真ん中を突っ切る一本道。
時計を見ると、そろそろ4時半。
早く行かないと清水寺が閉まっちゃう。
だけどこの道やばくない?とコソコソ話しながら、坂を上がって行く私達。
誰もいない坂道に、谷を渡る風の音だけが響く。
まるで墓石の摩天楼が迫ってくるような光景。その間で、私と息子の2人だけが生きている。
何だか「この世」と「あの世」の境目を歩いているような不思議な感覚に襲われる。
見上げれば、新緑の音羽山。
そしてその美しい音羽山の深い谷の右手を見下ろすと、広大な墓地の群生地がー。
息子「エ〜〜〜〜〜〜?なんであんなところにまでお墓があるの〜〜〜〜?」
思いっっっっきり早足になる私達。
「清水寺まであと3分」の立て看板。
ふと横を見ると、金色の目をした黒猫が、、、こっち見てるよ、、、。
ぎゃーーーーーーー!
ようやく、茶わん坂頂上に合流。
峠の茶屋に座り込む私達。
しばらく無言。
その後私達は、清水の舞台から通って来た坂道のあたりを見下ろしたけど、その坂道もお墓の一つも見えませんでした。
あんなに広い墓地なのに、ここからは全く見えないんだ。
観光客で溢れかえる清水寺の、すぐその脇に、静かに静かにたたずむ広大な墓地。
"Death is part of Life."
その晩、宿屋にて。
息子「今、あの坂道に行ったら一億円あげるって言ったら行く?」
私「行かない。」
息子「え〜、うそ。僕だったら行く。」
???
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